タウラスとミノタウロス

魔法戦隊マジレンジャーのグリーンの獣。
昨日付の日記で「タウラス」と書いたが、マジレンジャーのCDの歌詞カードの裏に書いてある魔法陣によると「ミノタウロス」らしい。
 
ミノタウロスクレタ島の王ミノースの息子、本名アステリオス。しかし牛の頭と人間の身体を持ち生まれたためミーノース王の牛という意味でミノタウロスと呼ばれるようになった。
ミーノース王はミノタウロスを名匠ダイダロスに依頼して作らせた迷宮「ラビュリントス*1」に閉じ込め、ダイダロスとその息子イカロスに世話係を命じた。
その後ミノース王はアッティケーを征服。毎年、男女それぞれ七名、計14名を生け贄に捧げるように命令。
それを聞いたアテネの王子テーセウスは自ら志願し生け贄に紛れる。
テーセウスは現地の王女アリアドネーと恋仲になり、アリアドネーはダイダロスから知恵を貰い麻糸と剣を託す。テーセウスはそれで迷宮ラビュリントスに潜り込みミノタウロスを退治。
ミノタウロスを倒したテーセウスは麻糸をたどり地上へ脱出。アリアドネーと一緒に故郷に戻る際、夢のお告げで王女を途中の島に置き去りに。
それを見た酒の神ディオニューソス*2は、泣きじゃくる王女に王冠をプレゼントして自分の奥さんにした。
ここのくだりは異説があり、ディオニューソスが横恋慕してさらって妻にしたというのもあるそうだ。
ここまでは冠座の神話として有名。
一方でミーノース王はダイダロス親子の所業に激怒。迷宮内に幽閉したものの、人力飛行機を作られまんまと逃げられてしまう。
この時、父の教えを忘れ天高く昇りすぎたイカロスは太陽の熱で羽を止めていた膠が溶けてしまい海へと転落死。
これが有名な「♪昔ギリシャイカロスは〜」のあの歌の元ネタである。
 
ちなみにタウラスだと全く意味が異なり、占星術やむしろ聖闘士星矢などで有名な「牡牛座(金牛宮)」のことになる。
牡牛座の牡牛は、実はギリシア神話三代目最高神ゼウス*3が、エウロパと言う女性をナンパするために化けた姿で、ヨーロッパはここから来ていることも有名ではある。
ちなみにゼウスに関わる星座はこれだけではなく、同じく女に近づく為に化けたもので白鳥座。給仕の美少年を誘拐するために化けた鷲座(給仕の美少年は水瓶座に)などがある。

参考文献:ギリシア神話(呉茂一著・新潮文庫)

*1:いわゆるラビリンス

*2:バッカスという名の方が有名かも

*3:初代はウラヌス・二代目はクロノス